由布市の丸山さん「目指すは世界一の紙切り作家」 日本の伝統芸能、独学で励みプロとして独立へ

「世界一の紙切り作家を目指す」と話す丸山紘平さん=豊後大野市千歳町下山の中九州アートミュージアム幸寿記念館

 【由布・豊後大野】由布市湯布院町川上の丸山紘平さん(27)は、日本の伝統芸能の一つ「紙切り」に挑んでいる。はさみで紙を切り、動物などの形に仕上げる技で、「世界一の紙切り作家を目指す」と意気込む。
 丸山さんによると「紙切り」は何も書いていない紙をはさみで切ってさまざまな形を作る技。寄席の色物として、客のリクエストに応えて作品を作ることもある。下絵がある紙をはさみやカッターナイフで切る「切り絵」は工芸の一種で、違う種類だという。
 佐伯市生まれ。3歳の頃、母が道具箱に花やチョウなどの形に切った紙を貼っているのを見て、まねを始めた。
 最初は飛行機などを作って遊ぶだけだった。幼稚園の先生から「誰にもできるものではない」と言われたことをきっかけに、テレビ番組に出演。紙切り芸人林家正楽さん(故人)に出会って刺激を受け、さらに練習を重ねた。
 小学生の頃、バドミントン競技を始め、全国大会に出場するほどに上達。紙切りはたまに高齢者施設や幼稚園などに行き、技を披露するくらいになった。
 転機が訪れたのは福岡市で大学生活を送っていた2020年。新型コロナウイルスに感染し肺機能が低下、息切れをするようになりバドミントンができなくなった。決まっていた実業団への就職を諦めて実家に戻った時、思い出したのが紙切りの楽しさだった。
 本格的に技を極めるために世界の美術や工芸を学ぼうと、ドイツや英国に留学。「自分の作品を自分の言葉で届けたい」と外国語も習得した。帰国後はアルバイトをしながら独学で作品作りに励み、来年2月からは福岡県でプロの紙切り作家として独立する予定。
 「寄席で披露する技はパフォーマンスがメイン。誰もまねできない芸術性の高い作品を作り、一つのジャンルを確立する」と誓う。
 これまで制作した28点を、9~24日に豊後大野市千歳町下山の中九州アートミュージアム幸寿記念館で展示する。展示時間は午前10時~午後3時。入場無料。9、14~16、23、24日は丸山さんも訪れる。問い合わせは同館(090-4342-7241)。

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