大分県は4日、設備の老朽化で開閉を停止しているクラサスドーム大分(大分市横尾)の可動屋根について、早ければ2026年度から3カ年計画で改修を実施すると発表した。断線した鋼製ワイヤロープを取り換える。特殊な工事のため、事業費は約30億円に上る見通し。各競技団体から要望が出ているほか、県の広域防災拠点である点などを踏まえ、復旧を決めたと説明している。
可動屋根は計20本のワイヤロープ(直径75ミリ)をウインチで巻くことで、開け閉めする。目視点検で問題が確認されたため、昨年6月に開閉を停止し、開いたままの状態が続いている。
県公園・生活排水課によると、同9~10月の専門業者の調査で、メインスタンド側4本、バックスタンド側1本に交換が必要な断線が見つかった。
工事では交換基準に達している5本を含む10本と、ロープを支える滑車(直径66センチ)160個を取り換える。交換費用が約15億円、仮設足場の設置など安全対策費が約6億円、作業員の休憩所設置などの諸経費に約10億円を見込んでいる。
早ければ26年度から着手し、28年度の完了を目指す。期間中は工事車両の出入りに伴い、陸上トラックの一部に保護板を設置することなどから、ドームを使用できない期間が生じる。
工事は多額の費用がかかる。復旧を決めた理由として、県は▽大分陸上競技協会など10団体から可動再開を求める要望書が県に提出された▽広域防災拠点として、物資の保管や仕分け作業場に開閉式の機能は重要▽今年8月に人気アーティストのライブが開かれるなど、大型イベント開催に必要―といった点を挙げた。
残るワイヤ10本についても、年1回の定期点検の結果を踏まえ、更新時期を検討する。
この日の定例会見で佐藤樹一郎知事は「事業費は国の予算などをしっかり調査し、使えるものを最大限活用する。復旧後は継続的に大規模イベントを誘致していきたい」と話した。
<メモ>
ドームは2001年に完成。県によると、可動屋根の鋼製ワイヤロープの耐用年数は15年ほどで、これまで交換はしていない。毎年、スポーツの試合やイベントなどで40回ほど開閉していた。