【大分】大分市教委は、9月から不登校小中学生の居場所の一つにしてもらおうとインターネット上の仮想空間「メタバース」の運用をしている。週に1回、学習用のタブレット端末を使い、他の利用者、教諭や心理士と交流できる。在籍する学校長の判断で出席扱いにもできる。
学校に通えなかったり、公的な支援とつながれていなかったりする児童生徒が対象。学校から保護者に利用方法が伝えられ、申請者にアカウントを割り当てる。これまでに19人が登録した。
毎週木曜日の午後2~4時に接続でき、同時に20人まで入れる。他の利用者とはメッセージで対話。3次元アニメーションのキャラクターの姿は児童生徒が設定する。
コミュニケーションを重視し、クイズやゲームなどをして過ごす。保護者から「子どもが喜んでいる」「来週も楽しみにしている」などの声が寄せられている。
市教委によると、2023年度の市内の不登校児童生徒1665人のうち、約2割の310人が専門的な相談機関での支援を受けていない。
市教委不登校対策担当班長の川野将志主幹(48)は「仮想空間でのコミュニケーションをきっかけに、教育支援教室フレンドリールームでの相談や学習支援につなげ、『誰一人取り残されない学びの保障』を一層、目指したい」と話している。