竹田市の玉来ダム事業がアジア土木学協会の最優秀賞に 建設技術評価、国内初の受賞

豪雨の時にしか水をためない流水型の玉来ダム。アジア土木学協会連合協議会の最優秀プロジェクト賞を受賞した=竹田市(県提供)

 2022年11月に完成した竹田市の玉来ダム建設事業が、土木技術の発展に顕著な貢献があったとして、アジア土木学協会連合協議会(米国)の最優秀プロジェクト賞に選ばれた。県が31日、発表した。強度や透水性の異なる、阿蘇火砕流堆積物の厳しい地質条件を克服した建設技術が高く評価された。国内のダム事業では初の受賞。
 洪水時以外は水をためない流水型。1991年に事業化し、本体工事は2017年に着手した。事業費は約310億円。
 堤体(高さ52メートル、幅145メートル)の設置場所は部分的に軟らかい地層があったため、両岸に高さ約50メートルの大型コンクリート壁を設けて安定性を確保。
 周囲の水を通しやすい岩盤層に、カーテン状にコンクリートを注入して水漏れをふさぐなど、綿密な調査と創意工夫によるダム建設の技術が認められた。
 同賞は土木技術とアジアの発展に顕著な貢献があったプロジェクトに与えられる。07年に創設された。23日に韓国・済州島であった授与式に県と施工業者から2人が出席した。
 県河川課は「関係機関の協力のおかげ。認められた技術が、広くアジアの発展や防災に役立つことを期待する」とコメントした。

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