大分市賀来の防空壕にネパール料理店 戦争遺跡活用し「洞窟レストラン」オープン

防空壕を利用したネパール料理店。オーナーの園田高太郎さん(左)=大分市賀来

 【大分】戦時中、大分市賀来の山沿いに築かれた防空壕(ごう)を利用した飲食店がオープンした。その名も「洞窟レストランCAVE」。内部は年間を通じて気温が18度ほどに保たれており、オーナーの園田高太郎さん(47)は「先人の命を守った戦争遺跡を現代なりに活用しながら未来に継承したい」と話している。
 防空壕は園田さんの自宅近くにある。園田さんは2019年に裏山の約1320平方メートルを購入し、飲食店にしようと少しずつ整備を進めてきた。購入時は防空壕の存在を知らなかったという。
 高さと幅が2・6メートル、奥行き40メートルの広い空間を利用し、天井からは温かみのある電灯をつるし、床にはコンクリートを敷き詰めた。テーブル席が24ある。
 ネパール出身の料理人パンデイー・ルーパさん(27)が敷地内のキッチンカーで腕を振るい、看板メニューはチキンカレーやラッシーなどが味わえるネパール定食(1日10食限定、2千円)。口コミで人気が広まり、満席になる日もあるという。
 壕は近くに、あと二つあり、今後はそこも利用し、ステージやシャワー室、トイレなどをつくる予定という。
 国土交通省の調査によると、戦時中に旧日本軍などが築いた防空壕などは2022年度時点で全国7860カ所、県内には585カ所ある。
 園田さんは「戦後の台風や大雨など災害の被害を受けていない洞窟は、災害時には避難場所としても使える。防空壕の活用モデルをつくりたい」と意気込んでいる。

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