湯布院や別府の観光地、デジタル空間で散策 模擬起業グランプリ参加の岩田高生徒がカード製作販売

起業体験プログラムに挑む岩田高の3人=由布市湯布院町川北

 【大分・由布】大分市岩田町の岩田高の生徒3人が、スマートフォンをかざせば由布市湯布院町などの観光地をデジタル空間で散策できるチップ内蔵のカードをオンラインなどで販売している。3人は高校生が自ら商品を考えて製作・販売し、売り上げなどを競う「模擬起業グランプリ『リアビズ』」に参加しており、「優勝を狙いたい」と意気込んでいる。
 3人は、室ほのかさん(17)=3年、丸尾和泉さん(18)=3年、グエン・タン・アンビンさん(16)=2年。リアビズは、ビジネスの楽しさや厳しさを高校生に学んでもらおうと認定NPO法人金融知力普及協会が毎年開いている。
 3人は「大分の魅力を国内外の人に伝えたい」と参加を決意。全国84チームの中から、書類での1次審査を通過した8チームに選ばれた。30万円の資金を貸与され、7月から商品化に取り組んできた。活動を踏まえた最終審査は12月にある。
 カードは「Oita virtual passport」の商品名で1枚千円。観光地は湯布院町か別府市かを選べ、湯布院町はJR由布院駅や金鱗湖、宇奈岐日女(うなぎひめ)神社など5カ所の観光地をデジタル空間で再現。そこをアバターで動き回ることができる。別府市は海地獄など4カ所。カードを持つ人同士でチャットも可能。カードのデザインは5種類ある。コンテンツ制作は大分市の企業が協力した。
 10月中旬には、初めての対面販売をJR由布院駅前で実施。室さんは「旅行者にお土産として買ってもらい、大分を身近に感じてほしい」、丸尾さんは「商品の魅力を伝えるのが難しいが、売れるとうれしい」と話した。
 11月9日まで湯布院町内の土産店などでも販売し、期間中、数回、対面販売もする予定。オンライン販売は「BASE」から、詳細は「札和(ふだわ)堂」のインスタグラムで。3人は「観光とデジタルを融合させた商品は珍しいはず。500枚を目標に頑張りたい」と話している。

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