大分市でアートフェス「トイレンナーレ」開催 パフォーマンス10年の節目に復活

トイレの壁に作品「コメババ」を設置する青トンカチの梅田嵩哉さん

 【大分】トイレを舞台にしたアートフェスティバル「たけにしトイレンナーレ」が、大分市のガレリア竹町西口で開かれている。wazawazaビル(市内中央町)のトイレにアート作品を展示。期間中、大分のアートと文化に触れる講座なども随時、開催する。11月30日まで。観覧無料。
 「大分圏清掃整理促進運動会」(八坂千景会長)の主催。会は2015年に市中心部で開かれたアートフェスティバル「おおいたトイレンナーレ」の実行委員らで結成。毎月10日に白衣姿で公衆トイレに現れ、無言で掃除をするというパフォーマンスを続けている。活動が10年の節目を迎えたのを機にアートフェスティバルを復活させた。
 wazawazaビル2階の男女二つのトイレに展示されているのは同会メンバーでアーティスト「青トンカチ」として活動する梅田嵩哉さん(26)=東京都=の「コメババ」。梅田さんは北九州市出身。大分大建築学コース卒業後、大分市内の建築設計事務所に勤務しながらアーティストとして活動。現在は東京芸術大大学院で先端芸術表現を学んでいる。
 「コメババ」は稲穂やもみ殻、土、トイレットペーパーなどを使って土の神をかたどったインスタレーション。コメが体をつくり、排せつ物として土に返り、再び稲を育てるという生命の循環を表現した。梅田さんは「インフラが整備された現代では食と排せつを巡る関係が見えにくい。日常の行為の中で、ふと身体と自然のつながりを感じるきっかけになれば」と期待する。
 その他、「ダーニング刺しゅう」(12日・いいちこ総合文化センター)「建築模型の制作」(11月3日・10コーヒー大分店)「コルク人形づくり」(同9日・コントマーケット)など、メンバーらによる講座も商店街を会場に開催。ディレクターを務める美術史家・美術評論家の菅章さんは「次の10年に向け、自分たちにできる形で街の人たちと面白いことをやっていけたら」と話している。
 講座の予定は大分圏清掃整理促進運動会のインスタグラム、フェイスブックで紹介している。

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