「機動警察パトレイバー劇場版」巨大ロボットが開発進む首都圏で暴走

「機動警察パトレイバー劇場版」の一場面(ⓒ1989 HEADGEAR/BANDAI VISUAL/TOHOKUSHINSHA)

 レイバーと呼ばれる巨大ロボットを使った犯罪に立ち向かう警察官の活躍を描いたアニメーション。1989年の押井守監督作品をリバイバル。
 東京湾に建築された巨大建造物「方舟(はこぶね)」から、プログラマーの帆場暎一が投身自殺をする。基本ソフトの「HOS」を作り上げた優秀な男だった。
 その頃、首都圏でレイバーが暴走する事件が多発する。共通点は全機体がHOSを使って稼働しているということ。この事態に違和感を持っていた警視庁レイバー小隊隊員の遊馬(古川登志夫)は、隊長の後藤(大林隆介)の口車に乗せられる形で、HOSと暴走の関係性を調べ始めるのだが…。
 若い隊員が軽快に事件を解決するエンターテインメント作。同時に、後藤をはじめとするベテラン警察官が犯人の足どりから、犯行の動機や思想をひもとこうとする哲学的な側面もある。両極にある二つの要素がバランスよく盛り込まれており、何度でも見返したくなる。
 舞台となる都市の描写に注目。作品が描くのは古い建物を残しながらも、都市再開発によって、高層ビルが増えていく街並み。開発の影響を受けて廃虚になってしまう地域もある。作品が生まれた89年という時代性を感じる。
 18日からは「機動警察パトレイバー2 the Movie」が上映される。こちらは東京でクーデターが起こる様子を描いており、押井監督の作家性が強く発揮された怪作。合わせて見たいところだ。

 シネマ5bisで11日(土)~17日(金)の午後5時25分(この日程以外も上映あり)。

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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