豪雨で流失の新天瀬橋、芸術の力で「成仏」させよう 橋の一部を使って伝承モニュメント制作中

制作現場に訪れた地元住民に作品の説明をする森貴也さん(左端)=日田市天瀬町湯山の天瀬温泉公園

 【日田】2020年7月の豪雨で流された新天瀬橋の一部を使った災害伝承モニュメントが、日田市天瀬町湯山の天瀬温泉公園に設置される。「身近な存在だった橋。完成までの過程を地域の人と共有し、今後も愛される存在になってほしい」と、彫刻家の森貴也さん(44)=竹田市=が現地で公開制作に取り組んでいる。
 森さんは「地域の暮らしを支えてきた橋を芸術の力で『成仏』させてほしい」という天瀬町出身の知人の依頼を受け、20年8月から廃棄されるはずだった橋の一部を使って作品を作り続けている。
 有志でつくるハシノカケラの会(佐藤統久代表)が市に働きかけ、20年の豪雨からの復興を目指す「天ケ瀬温泉つなぐ会議」も協力。昨年、完成した新橋の右岸にある同公園に災害伝承モニュメントとして設置されることが決まった。
 タイトルは「記憶のカケラ~架け橋~」。新たに作った複数の作品をつなげ、旧橋の二つの親柱の上にアーチを架けるという。
 今月中旬から始まった公開制作では、訪れた近隣住民が重い素材を運ぶなどして手伝う姿も見られた。
 森さんは「土地の人にとって災害は悲しい出来事だが、作品を通して次世代に記憶をつなげていくことが土地の明るい未来につながるのでは」と話している。
 10月中に完成の予定。森さんは土、日、月、火曜の週4日、同町に滞在して制作している。同4日夕には同公園で開かれるライトアップイベントに合わせ、作品の意図などを説明する。

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