【由布】日本旅館協会由布院連絡会は、由布市湯布院町の由布院地域のまちづくりをけん引してきた中谷健太郎さん(91)=亀の井別荘相談役、溝口薫平さん(92)=由布院玉の湯会長=ら3人のインタビューをまとめた冊子「『盆地の灯台』列島を照らす」を発刊した。これまでを振り返りながら、達成感や後悔、次世代への思いなどが読み取れる内容。18日には同町内で記念フォーラムを開く。
1975年、県中部地震の風評被害を払拭しようと、中谷さんらは同年7月から辻馬車の運行を始めた。同8月には音楽祭、同10月に牛喰(く)い絶叫大会、翌年の8月には映画祭を開催。今も由布院盆地を代表する行事として続いている。
50年の節目を迎え「改めてこれまでの歩みをたどり、将来につなげよう」と企画。中谷さん、溝口さんとともに奔走した故志手康二さんの妻、淑子さん(88)=山のホテル夢想園会長=から話を聞いた。
同連絡会の桑野和泉代表(61)=由布院玉の湯社長=に加え、由布院にゆかりのある大学教授やジャーナリストで編集委員会をつくり昨年12月から計4回、同町内でインタビューを実施。会話形式でA4判、58ページにまとめた。
この半世紀で一番印象的な出来事だったと振り返る湯布院町の合併や、故平松守彦元知事ら多くの人との関わり、発想の原点となったドイツ・バーデンバイラーへの視察旅行などについて語った。それぞれが「やるだけやった」「(合併について)後悔しちょる」など今だからこそ語れる思いを吐露している。
後半には、この100年の由布院盆地、国内の動きを年表にして掲載した。
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フォーラムは午後1時半から、ゆふいんラックホールで。参加者に冊子を無料配布し、編集委員会が解説。初代観光庁長官を務めた本保芳明さんによる基調講演、交通や景観保全、持続可能なまちづくりをテーマにしたリレートークもある。
問い合わせは同連絡会事務局の由布院観光総合事務所(0977-85-4464)へ。