【日田・中津】県と日田、中津両市は、大規模な産業用地の開発と企業誘致に取り組む民間事業者を募集している。地権者との交渉や造成工事のノウハウを持つ民間の活力を生かし、迅速な整備を目指す。県と市が連携して取り組むのは初めて。開発費用の一部は各市の補助金で支援する。
半導体関連の拠点強化や物流効率化を目指す企業からの用地需要は高まっているが、県内では適地が不足している。特に県北西部は自動車関連産業や物流の要衝に位置し、要望が多いという。
開発候補地は、日田市が工業団地が広がる石井地区の約13・8ヘクタールで、大分自動車道の日田インターチェンジ(IC)まで車で約12分。中津市は三光臼木諫山の約14・7ヘクタールで、東九州自動車道の中津ICと上毛ICまで車でそれぞれ約10分。いずれも現在は農地で、交通利便性に優れた平たんな土地という。
県と各市は審査委員会を経て選定した民間事業者と本年度中に連携協定を結ぶ。事業者はその後、用地交渉や造成工事に着手し、日田は2029年度、中津は30年度に分譲を開始する計画。
測量、調査、設計費や区画道路などの開発費は、各市の補助金を受けられる。
県企業立地推進課は「両市を皮切りに他の市町村でも条件が整えば募集し、さらなる企業誘致につなげていきたい」と話している。
参加表明書の提出期限は日田が9月25日、中津は10月31日の午後5時まで。それぞれ審査委を開き、結果は県ホームページで公表する。問い合わせは同課(097-506-3247)。