大分平和美術展が2日、大分市寿町の県立美術館で始まった。7日まで。入場無料。県内の美術家が中心となって開催している。今年で56回目。
平和への思いを持つ54の個人や団体が、洋画や書、切り絵、彫刻など自由なテーマで計84点を出品。思想や流派、表現形式の違いを超えて鑑賞者とともに批評し合い、交流を深めようと、無賞、無審査で全応募作品を展示している。ウクライナの子どもたちへ向けて来場者が自身の思いを書き込むメッセージボードもある。
初日にはインスタレーション(空間全体を作品とする表現手法)作品として二つのイベントを開催。兵庫県芸術家協会は、ウクライナへ送っているオリジナルの絵本について「子どもたちがポケットに入れてシェルターにも持ち運びやすいようB6サイズに。また自由に物語を想像できるように文字はほぼ使わず、優しいタッチの絵で仕上げた」と解説。続けて「やさしくなる絵本~大分と神戸のアーティスト響宴」と題し、コンサートとタップダンスを披露した。
大分市の平野綾子さんが企画した劇団ムジカによる「Gifting Peace~贈る平和~」は原爆投下から3年後の広島を舞台にした井上ひさしの「父と暮らせば」の朗読劇。迫力ある熱演に会場は引き込まれ、感動に包まれた。
事務局長の芳賀健太さんは「作品と本人の直筆メッセージを見てもらうことで、平和に対してより深く向き合ってもらえるのでは。それぞれが自由に表現した平和への思いを感じてほしい」と話した。
▽イベント「Gifting Peace~贈る平和~」は7日午後2時30分からもある。