【由布】由布市挾間町の会社員、二宮健斗さん(22)が「第72回全日本社会人レスリング選手権大会」(7月11~13日、埼玉県)でフリースタイル57キロ級とグレコローマン55キロ級で優勝した。学生時代から全国で活躍。今春から同町北方の建設業「星和工業」に就職し、仕事と競技を両立させており「選手のレベルが高い中、勝てたのは自信につながった」と喜んでいる。
高校からレスリングを始め、レスリング部のある日本文理大(大分市)へ進学。西日本学生選手権で4連覇、昨年5月の明治杯全日本選抜選手権(東京都)は3位に入賞した。
「日本一を目標に卒業後も競技を続けたい」という熱意が同社の曽根崎一・代表取締役(55)に伝わり、卒業後、社員として迎え入れられた。日中は現場で働き、夜は母校のレスリング部で練習を続ける。
フリースタイル57キロ級には7人が、グレコローマン55キロ級には8人が出場。いずれもトーナメントで勝ち上がり、両種目を制した。グレコローマンの最優秀選手にも選ばれた。「仕事と両立できていることが実感でき、うれしかった」と振り返る。
曽根崎代表取締役は「けがせず、仕事も競技も頑張ってほしい。これからも支えたい」とエールを送る。
仕事現場で生かせる資格取得を目指すなど、二足のわらじで奮闘する二宮さん。今年6月の明治杯全日本選抜選手権ではグレコローマン55キロ級で3位入賞。次の目標は12月の天皇杯全日本選手権での優勝だ。学生時代から二宮さんを見てきた同大レスリング部の比江島研吾監督(32)は「会社がサポートしてくれる恵まれた状況にいることを忘れず、結果で応えてほしい」と期待する。二宮さんは「仕事も面白く、周囲には感謝の一言に尽きる。成績を残して恩返しをしたい」と意気込んでいる。