大分上野丘高化学部が全国総合文化祭で2年連続最優秀賞 アミノ酸の濃度計測で新手法

全国高校総合文化祭自然科学部門の研究発表化学分野で最優秀に輝いた大分上野丘高化学部。化学平衡を示す「⇄」のポーズを決める部員=大分市

 【大分】大分市の大分上野丘高化学部が、第49回全国高校総合文化祭の自然科学部門(7月26~28日、高松市)の研究発表化学分野で、2年連続8回目の最優秀賞に輝いた。アミノ酸の濃度を簡易に計測する新たな方法を開発した。部員は「プレッシャーもあったが受賞できてよかった」と喜んだ。
 化学分野には予選を勝ち抜いた全国の45校が出場した。事前に提出した論文と大会当日の発表を総合的に審査した。当日は10分間の研究説明と4分間の質疑応答があり、昨年度部長の後藤優奈さん(3年)と本年度部長の都甲匠さん(2年)が担当した。
 研究テーマは「電離平衡を用いたアミノ酸の定量」。先輩が取り組んできたアミノ酸の濃度計測を継続した。過去の実験の課題に着想を得て、アミノ酸が水溶液中で電離する性質に着目。アミノ酸と硝酸銀の混合溶液に水酸化ナトリウム水溶液を落とすと、アミノ酸の濃度に応じて沈殿が起きる反応を利用した。
 研究に取り組んだのは昨年4~10月。現在の2、3年生が関わり、分担して実験を進めた。1日で試験管約300本に溶液を落とした部員もいた。実験結果の検証段階で数値が合わず実験をやり直すこともあったが、膨大なデータを粘り強く収集した。
 後藤さんは「みんな実験が好き。受賞したいという思いと、自分たちの研究を論文に載せたいとの思いで最後まで進めることができた」と振り返る。部員の地道な努力が詰まった研究だけに、最優秀に選ばれてほっとしたという。
 1、2年生は次の大会に向け、新しい研究を進めている。都甲さんは「先輩から『結果も大事だが実験を楽しんで』とアドバイスをもらった。楽しみながら取り組みたい」と話した。
 化学部は今回、自然科学部門ポスター発表でも別の研究が奨励賞に入った。「電離平衡を用いたアミノ酸の定量」は今年6月に特許を取得した。

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