「大統領暗殺裁判 16日間の真実」人命を無視した“権力”への怒り

「大統領暗殺裁判 16日間の真実」の一場面(ⓒ2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & PAPAS FILM & OSCAR10STUDIO. A)

 46年前に韓国で起こった大統領暗殺事件をベースに、実行犯の裁判の様子を描き出したドラマ。
 1979年10月26日、独裁者と批判されるほど強大な権勢を振るったパク・チョンヒ(朴正熙)大統領が射殺される。側近だった中央情報部長キム・ジェギュらが逮捕された。
 民主主義の回復のために凶行に及んだと説明する情報部長。権力への野心を持つ少将チョン・サンドゥは、事件の合同捜査団長を務めることになり、大統領殺害は国家の転覆を謀った内乱だと断罪する。
 犯人に対する裁判が始まる。弁護士チョン・インフが担当するパク・テジュは軍籍にあるため、軍法会議を受けることに。通常の裁判とは違い、一審で結審してしまう。弁護士チョンは、厳格な軍人パクが、上司の命令に服従することしかできなかったとし、殺人罪で裁くよう訴える。
 少将チョンは張り詰めた裁判を裏で聞く。メモを使って、自分の意のままに裁判官を動かし、重刑へと導こうとしていたのだ。
 作中では暗殺事件を内乱だと糾弾していた少将チョン。モデルは、その後大統領の座まで上り詰めるチョン・ドンファン(全斗煥)だ。その後、作中でも史実でも矛盾するような行動に走る。韓国史を調べた上で鑑賞すると面白さが増す。
 権力掌握のための茶番劇として、使い捨ての駒にされた軍人パク。そして彼の命を救おうと尽力した弁護士チョン。人の命を無視した「権力」への怒りや悲しみがあふれた一本だ。

 シネマ5bisで9月6日(土)~12日(金)の午後0時45分、同5時(この日程以外も上映あり)。

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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