湯布院映画祭最終日、特別上映やシンポジウムなど盛り上がる 50回特別イベントで常連ゲストの朗読劇も

映画「桐島です」のシンポジウムに臨む高橋伴明監督(右から2人目)や毎熊克哉ら制作陣=24日、由布市湯布院町川上のゆふいんラックホール

 第50回湯布院映画祭最終日は24日、由布市湯布院町のゆふいんラックホールであった。2作品の特別上映やシンポジウムのほか、スペシャルイベントとして常連ゲストによる朗読劇や短編映画を用意。多くの来場者が詰めかけ、節目の映画祭を堪能した。     
 特別上映は連続企業爆破事件の容疑者の人生を描いた「桐島です」と、大分大卒で映画祭実行委員出身の草場尚也監督の作品「雪子a.k.a.」。
 「桐島―」のシンポジウムには、高橋伴明監督や主演の毎熊克哉らが登壇。来場者からは、忌憚(きたん)のない感想や批評の声が上がった。また、約50年の逃亡生活を送った主人公の姿に、自分の人生や映画祭の歩みを重ね合わせるような意見もあった。
 50回特別スペシャルイベントは、俳優の柄本明が朗読劇「今は昔、栄養映画館」に出演し、谷川昭一朗とテンポの良い掛け合いで会場を盛り上げた。そのほか、奥田瑛二、柄本佑、安藤桃子が手がけた短編映画の上映もあった。
 前夜祭を含めた4日間で約3500人が来場し、「日本最古」の映画祭はにぎわいを見せた。

■柄本明「日本一の映画祭」「縁深いと感じる」
 俳優の柄本明は第15回(1990年)の湯布院映画祭に初参加して以来、たびたび来県している。スペシャルイベントの朗読劇「今は昔、栄養映画館」の終了後、映画祭に対する思いを聞いた。
 ―舞台という形で参加した。
 「演劇という生の表現で彩ることができて、良かったんじゃないかな」
 ―初参加した時と比べて映画祭に変化を感じるか。
 「湯布院の町並みはお店が増えて変化しているが、映画祭自体はそんなに変わってないと思う」
 ―湯布院映画祭はどのような存在か。
 「湯布院という地域のキャラクターもあるが、多くのスタッフが微細に渡って映画で盛り上げている。特集上映を企画しているということも特色の一つだと思う。日本一の映画祭じゃないか。何回もゲスト参加させていただいているし、3人の子どもたちは実行委員を経験しているので縁深いと感じている」
 ―今後の映画祭に思うことは。
 「前実行委員長の伊藤雄さんが亡くなったことは、非常にショックだった。今後も盛り上げて続けていただければと思う」

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