【日田】日田市を訪れた観光客が土産品購入や宿泊・飲食代などに使った「観光消費額」が昨年、409億円を超えた。日帰り客と宿泊客を合わせた総数は約316万人。373万人だったコロナ禍前の2019年と比較して約58億円増えており、物価高による宿泊・飲食代などの高騰が要因とみている。
観光消費額は市が市観光協会に委託し、観光客に聞き取り調査するなどして割り出す。
市中心部などでは、熱心に日田下駄(げた)や和菓子などの名産品を物色するインバウンド(訪日客)の姿が見られる。昨年の宿泊客数はアジア圏を中心に9万6465人と前年から31%増え、19年以前の水準に戻りつつある。
みそやようかんなどの製造、販売「日田醤油(しょうゆ)」(丸の内町)では6、7割が韓国人客。昨秋以降、一気に増えたという。
友人らに配るお土産を求める韓国人客のニーズに応え、約7年前から小さい容器のしょうゆセットを販売。好評を博している。航空機に預け入れる荷物の重量制限で、重い商品が選ばれにくいことに着目。今後、軽い袋の容器に入った「みそのディップ」などを開発する計画だ。
中山英明社長(54)は「全商品を試食可能にするなど、来店してもらうための取り組みを進めている。オンラインサイトでリピート購入するファンを増やしたい」と意気込む。
同協会によると、1人当たりの消費額は日帰り客の8500円に対し、宿泊客は4万4505円。同協会の観光マーケティング担当、用松太一さん(41)は「日田の旅館やホテルに滞在してもらうため、夜の観光コンテンツ創出が大切になる」と話している。