戦後80年がたち、人口の大多数は戦後生まれとなった。国勢調査や県の人口推計によると、2024年10月1日時点のデータで、戦後生まれに当たる79歳未満は県内に94万459人。人口の86%を占める。
戦前・戦中生まれに当たるのは14万4739人。このうち、終戦時をある程度記憶しているだろう85歳以上は7万4404人で、県人口の7%だ。
従軍経験のある人はさらに少ない。直接的なデータはないものの、兵役の対象だった当時17歳以上に該当する男性は県内に6129人で、人口のわずか0・6%になる。
別府市山の手町の山元大佑さん(98)は戦時中、海軍に入隊。中国・山東半島の青島海軍航空隊で偵察員になり、偵察機で特攻隊の誘導をしたこともあった。「さようなら、ご苦労さん、と敬礼した日のことが今でも頭をよぎる」と涙を拭う。
報道などで目にする特攻隊の姿は「きれいごと」と感じるという。軍隊仲間は既に皆亡くなったといい「事実を脚色せずに伝えられたらと思うが、もう真実を知っている人間がいない」と寂しげに話した。