県内は10日夜の記録的な大雨で西部・北部を中心に住宅や道路に被害が出た。
県のまとめ(11日午後7時半時点)によると、観測史上最大となる1時間に117ミリの雨量を観測した日田市で、2棟が床上浸水、10棟が床下浸水した。玖珠町戸畑で土砂の崩落により民家の一部が壊れたが住民は不在で無事だった。
のり面の崩壊や路面冠水、倒木などにより、日田市と中津市で県道と市道計5カ所が全面通行止めになっている。
大分地方気象台によると、降り始め(8日午後9時)から11日午後10時までの雨量は、▽日田 317ミリ▽椿ケ鼻 291・5ミリ▽玖珠 261・5ミリ―など。
これまでの大雨で地盤が緩んでいる場所があり、気象台は引き続き土砂災害に警戒するよう呼びかけている。
■「店の前の道が川のように」
大雨から一夜明けた11日、日田市中心部では浸水被害を受けた店舗や民家で泥出しをする人の姿が見られた。
市内淡窓の生花店「りんご苑」は10日夜、そばを流れる水路(城内川)から押し寄せた水が店内に入り、温室のボイラーなどが浸水した。苑田洋一さん(78)は「あっという間に水路からあふれ、土のうを積んだが超えてきた」。
市内本庄町と亀山町も水路(中野川)の水があふれ、30~40センチほどの高さまで達したとみられる。ござ・畳店「牟田口商店」は倉庫と店舗が浸水。店の女性(79)は「店の前の道が川のようになった。家族が商品を車に載せて運んだりしたが、ここまで水が迫ったのは初めて」と驚いていた。