夏のレジャーシーズンが到来した。海や川で遊ぶ機会が増えるこの時季は、水の事故に注意が必要だ。関係機関は「水遊びには必ず大人が同行し、子どもから目を離さないようにしてほしい。ライフジャケットなどを準備して安全に楽しんでもらいたい」と呼びかけている。
県警のまとめによると、昨年までの5年間に、県内で7~8月に起きた遊泳中の事故は計18件。死者は6人だった。
2023年7月には佐伯市弥生大坂本で友人と一緒に泳いでいた男子中学生=当時(14)=が溺れて亡くなった。昨年8月には佐伯市青山の山口川で、家族と訪れていた女児=同(6)=が川遊び中に命を落とした。
今年に入っても、豊後大野市緒方町の原尻の滝で7月14日、韓国から旅行に訪れ、友人と滝つぼに飛び込んだ男子大学生=同(19)=が犠牲となっている。
水難事故を防ごうと、県内では関係機関が着衣泳の講習会や海水浴場の巡回で注意を促している。
最悪の事態を避けるため、大分市消防局警防課は▽ライフジャケットの装着▽水辺遊び用の靴の着用▽ペットボトルやクーラーボックスといった浮き輪の代わりになる物の準備―といった対策を挙げる。
「万が一の場合はあおむけになって水に浮き、空気を確保して救助を待ってほしい」と同課。周囲の人は浮く物を投げて渡したり、119番したりして冷静な行動を取るように求めている。
同課の内田喜久消防司令長は「遊びに行った場所が遊泳できるかをよく確認し、少しでも危険を感じたら利用を控えることが大事。安全なレジャーで楽しい夏を過ごしてもらいたい」と話した。