中津市出身の芥川なおが新作「コールドムーン」出版 地元をモデルに切ない片恋描く

芥川なおの2作目となる「コールドムーン」

 【東京支社】中津市出身の作家、芥川なおの新作「コールドムーン」(すばる舎・1540円)が26日に出版された。累計16万部を突破し、映画化(10月公開)されたデビュー作「ストロベリームーン」の続編。
 前作の主人公・佐藤日向(ひなた)に片思いする、幼なじみの高遠麗(うらら)の物語。幼い頃から日向を見つめてきた麗だが、日向は高校で出会って恋人になった桜井萌に心を奪われている。中津市をモデルにした地方都市を舞台に、麗の純粋で切ない片恋が描かれる。
 「誰しも、片思いや実らなかった恋の経験はあると思います。麗の思いに共感していただける方も多いのでは。私にとって、登場人物は全ていとおしいのですが、とりわけ麗は大切な大切なキャラクター。本作では前作で描ききれなかった主人公たちの母親の愛情にも焦点を当てています。大人の読者にも読んでいただきたい作品になりました」
 芥川は年齢や性別などプロフィルを伏せているが、唯一、出身地を公表している。本作では、実在の飲食店や地元で知られている「ハートの木」が登場するなど、中津らしさもちりばめた。
 10月17日公開の映画「ストロベリームーン」は、当真あみ、斎藤潤、杉野遥亮、中条あやみら人気俳優が出演し、話題となっている。デビュー作が映像化された芥川は「とても幸運。読者の皆さんや書店員の方々に感謝しています。映画は、原作者として120%満足している作品。私も公開を楽しみにしています」と話した。

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