【津久見】津久見市保戸島の海徳寺で25日、空襲の犠牲者を追悼する慰霊法要があった。戦後80年の節目に多くの参列者が島を訪れ、戦没者の冥福を祈るとともに平和への思いを新たにした。
保戸島空襲は1945年7月25日、当時の保戸島国民学校(現保戸島小・中)を米軍機が攻撃。爆弾や機銃掃射により児童、教諭ら合わせて127人が命を落とした。
法要には市内外の子どもたちや遺族ら約80人が参列。犠牲者の遺骨などで作られた「骨(こつ)地蔵」に手を合わせた。鈴木真友住職は「この小さな島で起きた悲惨な出来事を忘れない、忘れさせないために、多くの人に広めてほしい」と呼びかけた。
法要後、臼杵、津久見両市の退職教職員らでつくる団体「みかんとカボス」による空襲の朗読劇があった。劇中で保戸島小卒業生が作詞した追悼曲「あの日を忘れない」を樫の実少年少女合唱団と共に歌った。
保戸島小・中の児童生徒が「平和のバトンを次の世代につないでいく」と宣言。他校の子どもたちと一緒に校内にある慰霊碑に移動し、花と千羽鶴を手向けて平和を願った。
津久見中3年の中村心南さん(15)は「二度と戦争はしてはいけないと思った」、遠藤天花さん(14)は「平和の大切さを改めて実感する日になった」と話した。