国東市の楽庭八幡社で「吉弘楽」 楽人が古式ゆかしい太鼓踊り披露

太鼓をたたきながら軽快に踊る楽人=27日午前、国東市武蔵町吉広の楽庭八幡社

 国東市武蔵町吉広地区に伝わる古式ゆかしい太鼓踊り「吉弘楽(よしひろがく)」(国指定重要無形民俗文化財)が27日、同地区の楽庭(がくにわ)八幡社であった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された伝統芸能を一目見ようと、県内外から大勢の観光客らが訪れた。
 踊りは午前と午後の2回あり、太鼓や笛、かねの音が響く中、「楽人(がくと)」と呼ばれる踊り手らが腰みのや旗差し物を身に着けて披露。額に汗を浮かべながら1時間以上かけて全14演目を終えると、境内は大きな拍手に包まれた。
 末房美子さん(75)=同市国東町小原=は「以前から見てみたかったので娘と来た。暑い中、長時間踊ってすごい」。吉弘楽保存会の幸松洋州(ひろくに)会長(71)は「国東半島の片隅で脈々と受け継がれてきた伝統文化を、これからも大切にしていきたい」と話した。
 吉弘楽は700年ほど前の南北朝時代、大友氏家臣だった領主の吉弘正賢(まさたか)が戦勝や五穀豊穣(ほうじょう)を願ったのが始まりとされる。24都府県・41件の盆踊りや太鼓踊りが、「風流踊(ふりゅうおどり)」として無形文化遺産に登録されている。

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