竹田市の水利施設「世界かんがい施設遺産」認定が決定 9月に認定証など交付

竹田市米納の城原八幡社のそばを流れる城原井路

 農林水産省は23日、国際かんがい排水委員会(ICID)が竹田市内にある21の水利施設を「世界かんがい施設遺産」に認定することを決定したと発表した。ICIDは9月10日、マレーシア・クアラルンプールでの国際執行理事会で認定証などを交付する。県内では2021年の「宇佐のかんがい用水群」に続き2例目。
 竹田市の遺産の名称は「竹田のかんがい用水群」。最も古いのは、岡藩主の中川久清に招かれた熊沢蕃山の指導で1663年に完成した城原(きばる)井路。1924年に利用が始まった荻柏原(おぎかしわばる)井路まで、大野川上流域で約260年にわたって先人が築いた施設が選ばれた。
 申請書では「中山間地における水田開発の苦労と農業水利の発展の歴史を物語る貴重な施設」を強調。「起伏に富む地形のため、隧道(ずいどう)(トンネル)や水路橋など高度な水利技術が求められた。湧水や滝を自然のまま用水システムに組み入れた独創的な用水路も築造された」と説明した。
 農水省によると、今月14日にICID本部から連絡があった。熊本県山鹿市の「湯の口ため池・井手」も認定が決まった。
 登録活動をしてきた実行委員会の会長を務める土居昌弘竹田市長は「大変光栄。先人の努力と知恵、現在も地域を支える皆さまの尽力のたまもの。登録は豊かな農業文化と水利施設の価値が国際的に認められた証し。遺産を次世代に引き継ぎ、魅力を発信する責任がある」とのコメントを出した。
 市は25日に市内で発表会を開き、11月26日に祝賀イベントと式典を計画している。

<メモ>
 世界かんがい施設遺産は、施設の適切な保全などを目的に国際かんがい排水委員会が認定・登録する。建設から100年以上が対象。▽かんがい農業の画期的発展に寄与▽当時としては先進的で卓越した技術―などの基準がある。昨年10月時点で、世界の177カ所、国内54カ所が登録されている。

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