米スタンフォード大の学芸員、大分県護国神社で予科練資料を調査 デジタル保存に向け取り組み進める

予科練関連の資料を見るスタンフォード大の上田薫研究員兼学芸員(右)。奥は川野孝康さん=大分市牧の県護国神社

 【大分】戦争関連の資料の保存に取り組む米スタンフォード大の上田薫・研究員兼学芸員が来日し、17日、大分市牧の県護国神社へ保管資料の調査に訪れた。戦時中に海軍飛行予科練習生(予科練)が遺した手記や軍装品などを確認した。今後、デジタル保存に向けた取り組みを進める。
 神社には昨年、閉館した大分予科練資料館(大分市上野丘)から収蔵品が移された。上田さんは海軍士官用短剣やゴーグル、航空頭巾などを見ながら、それぞれの装具はどのタイミングでどこに着けるのか、どこで作られたのかなどを神社関係者らに尋ねた。
 練習生が日常の様子を記した手記や自己出版した本などに関心を示し、「予科練なので若い人が書いたものが多い。世界中の若い人に見てもらい、こういう時代があったことを知ってほしい」と話した。
 元練習生で特攻隊員になった川野喜一さん(享年95)から資料館を引き継ぎ、昨年まで管理していた長男の孝康さん(69)は「デジタル資料として残り、父と全国の戦友の思いがつながっていくことがうれしい」と述べた。

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