九重町野矢小の「親子山村留学」利用第1号 久保さん親子、少人数教育の雰囲気に引かれ

学校そばの田んぼで田植えに挑戦する親子山村留学生の久保美咲さん(右)=九重町野上

 【九重】全校児童が兄弟のような関係の小規模校ならではの良さを生かし、九重町野上の野矢小(23人)が昨年度に設けた「親子山村留学」制度で本年度、利用第1号となる県外児童が転入した。鹿児島県薩摩川内市の久保美咲さん(8)=3年。母みゆきさん(41)と共に同町に移り、地域のサポートも受けながら伸び伸びと過ごしている。
 みゆきさんは美咲さんにさまざまな経験をしてほしいと考え、インターネットで山村留学制度を調べる中で同校を知った。昨年、親子で数回訪れ、少人数教育の雰囲気に引かれ応募したという。「本人は不安が大きかったようだが、始業式で温かく迎えられすぐに溶け込んだ。学校であったことを話してくれる機会が増えた」と喜ぶ。
 美咲さんは唯一の3年生で、2年生との複式学級で学んでいる。6月上旬には地元住民でつくる野矢校区活性化協議会と連携したもち米の田植えに挑戦。一列に並んで苗を手植えし、「泥の感触や腰を曲げる大変さに驚いたけど、楽しかった。餅にして食べるのが楽しみ」とはにかんだ。
 みゆきさんの住まいや仕事は同協議会がきめ細かく支援。「賃貸物件がないので助かった。長期休みは鹿児島で過ごすが、条件に合った仕事も見つかった。由布院温泉が近いので仕事の幅は広いと思う」と話す。
 同協議会前会長の佐藤義明さん(65)は「新入生がゼロになった3年前、関係者で話し合いを続けて始めた制度。児童一人一人が主人公になれる学校。楽しく過ごしてもらうため、約150世帯の総力で応援したい」と意気込んでいる。
 制度の適用は町内で暮らすのが条件で、申請が認められれば月3万円の支援金が給付される。年度途中でも応募できるという。問い合わせは町教委教育振興課(0973-76-3812)。

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