「毎日が地獄です」と印刷された土産物Tシャツを手がける別府市荘園の「ユーモア」(平塚明夫社長)が、類似品を製造・配送したインターネット販売サイトの運営会社を相手取り、販売停止などを求める訴訟を起こしている。代理人弁護士によると、模倣品のデザインに関わっていない、製造を担うサイト側の責任を問う訴訟は珍しい。平塚社長は「泣き寝入りせず闘うことが同業者のためにもなる」と訴える。
「毎日が地獄」は1990年代半ば、泉都の新たな名物を作ろうと平塚社長が発案した。インパクトのある文言が観光客らの目を引き、地獄めぐりの定番土産として長年親しまれている。
Tシャツのほかトートバッグやタオルなども展開。布製品と衣服に関し2019と21年にそれぞれ商標登録を受けた。
類似品を扱っていたのは、GMOペパボ(東京都)が運営するサイト「SUZURI(スズリ)」。クリエーターからデザインを受け付け、提案に基づいてグッズの製造や配送を担う。
原告側の代理人弁護士によると、アマゾンや楽天といったプラットフォーマーの責任を問う裁判は過去にもあった。ただ、「侵害行為をしたのは出店者」などとして、責任を否定する判断が続いてきた。
スズリは製造などをサイトが担っており、原告側は「他のサイトとは異なる。当事者としての責任がある」と主張。商標法と不正競争防止法に基づく販売差し止めと、約3770万円の損害賠償を求めている。
類似グッズは同じ文言がプリントされており、6人の匿名クリエーターが出品していた。サイト側に警告しても具体的な対応がなかったため、昨年5月、提訴に踏み切った。該当商品は間もなくサイトから削除されたという。
現在、大分地裁の勧告に沿って和解に向けた協議を進めている。和解条項は調整中だが、「類似商品を今後売らない」ことを要求する方針だ。
平塚社長は「地獄めぐりに『笑い』を持ち込んだグッズ。たくさんの失敗を繰り返した末のヒット」と商品への思い入れを語り、「盗用がまかり通ることがないよう道筋を付けたい」と強調した。
GMOペパボは「訴訟が継続中のため、回答は差し控える」とコメントした。