「かたつむりのメモワール」孤独を抱えた女性の物語

「かたつむりのメモワール」(ⓒ2024 ARENAMEDIA PTY LTD, FILMFEST LIMITED AND SCREEN AUSTRALIA)

 孤独を抱え、カタツムリやグッズ収集にふけっていた女性が体験する出会いや別れを描いたクレイアニメーション。
 舞台は1970年代のオーストラリア。主人公グレースと双子の弟ギルバートはカタツムリ研究者の母と元大道芸人の父の間に生まれる。難産のために母は亡くなってしまうが、父と子ども2人は強い絆で結ばれていた。
 しばらくして、父も病気で突然命を落としてしまう。残された子どもたちは2人一緒に引き取ってくれる人が現れず、別々の里親の元に連れて行かれてしまう…。
 かわいくユーモラスなキャラクターデザインに反して、大人向けのシリアスな物語が展開する。グレースは、多くの別れを体験し、つらく孤独な日々を送る。時には自分の殻にこもってしまい、万引などに手を出すことも。彼女は、前を向いて生きていくことができるのか。優しさにあふれたドラマは胸を打つ。
 監督は同国メルボルンを拠点に活動するアニメーターのアダム・エリオット。8年間を費やし、計13万5千カットを1枚ずつ撮影した。なめらかな映像から生まれるドラマは、リアリティーに富んだ「生々しい」味わいに仕上がっている。

 シネマ5で19日(土)~25日(金)の午前9時45分。19、21日は午後8時5分も追加。

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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