竹田市名物はら太餅「次の世代へ」販売開始 建設業の高山社長ら継承、新メニューも

はら太餅の販売を始めた高山茂明さん(前列左)、安藤裕子さん(同右)、和田貫汰さん(後列右)ら=竹田市竹田町の竹田カフェ

 【竹田】昨年6月に閉店した竹田市の城下町の和菓子店「生長堂」が製造・販売していた名物はら太(ふと)餅を建設業「高山組」(市内拝田原)の高山茂明社長(66)らが引き継ぎ、3日から販売を始めた。新たなメニューも加えて、同社社員でもある和田貫汰さん(26)が代表を務める会社が手がける市内竹田町の「竹田カフェ」で毎週木曜に提供する。
 店では従来の味のはら太餅(180円)に加え、新たに考案したあんバター、クリームチーズ、コーヒー、ラムレーズンの4種類(いずれも200円)を販売。芋あんが詰まったゆで餅(180円)もある。
 初日から客が相次いで来店した。10個買った市内竹田町の理容師工藤京子さん(80)は「以前の店に、よく行っていた。親戚などへのお土産にすると喜ばれていた。城下町から人、店が少なくなる中で、昔から親しまれてきた味が残るのはうれしい」と笑顔を見せた。
 高山社長は幼い頃から、はら太餅を食べて育った。竹田商工会議所のメンバーとして、空き店舗対策や地域振興に関わった経験もあり、城下町から慣れ親しんだ店が姿を消していく現状を寂しく思っていた。
 「竹田の風物を残すため、自分にできることをやろう」と、昨年夏ごろ、店主だった進藤道昭さん(77)に継承を打診。新たに雇用した安藤裕子さん(63)らと作り方を学んできた。
 あんの作り方、生地作りなど、進藤さんは「相当良くなった。餅や店名が残るのはありがたいこと」と喜ぶ。
 高山社長は餅を次の世代につなぎたいと考えている。市内に移住した和田さんらが販売することを「竹田に新たに関わるようになった人たちが伝統を受け継ぐことが、地域の文化を守る方法の一例となれば」と話す。餅は市内のイベントでも販売していく予定。
 竹田カフェでの販売は午前10時~午後3時。煎茶と餅のセットもある。

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