サッカー九州リーグのジェイリースFCは本年度、家賃債務保証業ジェイリース(大分市)の子会社として法人化した。2018年に会社の一組織として創部。事業拡大や収益力強化を図り、悲願のJFL昇格に向けて勢いを加速させる。
法人名は「ジェイリースフットボールクラブ」。親会社の中島土社長(43)が会長に就き、大分トリニータを運営する大分フットボールクラブの榎徹前社長(66)が社長を務める。
現役・引退選手を含む社員13人が運営や広報、営業などを担う。榎社長は会社を競技に例え「ポジションは決まっているが、全員でカバーする組織をつくる。関わる人を笑顔にしたい」。
チームは21年に同リーグに昇格。毎年上位争いを演じ、今季は11節を終えて首位。昨年は初めて天皇杯全日本選手権の県代表になるなど、年々、力をつけている。
中島会長は「法人化で機動力が高まる。中長期的なビジョンを持ち、利益も出したい」と説明。3年以内のJFL優勝と、ホーム戦の平均入場者数2千人などを目標に掲げる。
ただ、「サッカーというツールを使った地域貢献が主眼」(中島会長)のため、Jリーグ参入は目指していない。地域に根差した実業団チームにこだわり、引退後のセカンドキャリア支援にも力を入れるという。
創部当初から、幼児向けのサッカー教室や介護施設の訪問など、地域との交流を大切にしてきた。中島会長は「サッカーを通じ、県全体の発展に少しでも貢献したい」と話した。