【日田】日田市は移住者獲得のため、民間団体と協力した定住促進策に取り組んでいる。昨年度、県外からの移住者数は151世帯244人と県内最多。市内の周辺部7地区ごとにマップを作製して丁寧な情報発信に努めたり交流会を企画するなど、移住後を見据えた地道な工夫が実を結んでいる。
市は2021年度から、空き家バンクの調査・活用や情報発信をNPO法人リエラ(同市)に委託。移住を考えている家族の希望に応じた視察ツアーや、タブレットを使った空き家物件のオンライン内見会を開く。
移住後の交流会や女子会、地域住民も巻き込んだ運動会など「アフターサポート」にも力を入れる。今春に作った7地区のマップは、コンビニやコイン精米所などがないこともあえて記載。その代わりに、地域の世話役として活躍するUIJターン者の先輩を紹介している。
同法人の藤原精三さん(65)は「移住後に『こんなはずじゃなかった』というギャップが生じないよう、地域でのつながりづくりを大切にしている」と強調。住宅や土地提供などで引き寄せるのでなく、人が人を呼び込む好循環を移住者同士でつくり上げていくことに力を注ぐ。
自然体験を重視する「森の幼稚園」がある前津江町には、有機栽培に関心のある子育て世代が集まる。別の地域では、移住後に両親を呼んで一緒に暮らす夫婦もいるという。
市商工労政課は「民間の力を借りながら丁寧なサポートを続けた結果、移住者の定住率は9割を超える。そのうち7割は40代以下の子育て世代で、少子化対策にもつながっている」と話している。