【別府】別府市上田の湯町のホテル白菊は、障害者の作品を紹介する「アートギャラリー」をオープンした。個性あふれる作品を全国からの宿泊者らに広く発信。販売も手がけ、経済的自立を支える。
同ホテルが地域貢献活動の一環として常設。コロナ禍前はレストランだった1階の空きスペースを活用した。隣の売店で作品を購入することができる。
開設を祝う式典が5日、同所であり、西田陽一社長や長野恭紘市長らがテープカットをした。西田社長は「障害のある皆さんの生活を支える場にし、このような取り組みが市内のホテルや旅館にも広がることを願っている」。長野市長は「別府の魅力の一つになればうれしい」とそれぞれあいさつした。
オープン記念展には市内の作家2人が出展した。統合失調症を患いながら「こっちゃん」として活動するイラストレーターの秦ひとみさん(31)は、動物などをモチーフにした絵画を展示。訪れた人たちは虹色を意識した優しい色彩の作品に見入っていた。
難病と闘う藤井あいさん(19)は牛乳パックで作ったさまざまな形のバッグや小物入れを並べた。特別支援学校高等部の頃、手先が器用で教員に勧められて始めたという。
秦さんは「チャンスをいただけたことをうれしく思う。いろんな人に支えられてきたので、次は誰かを支えたい」。藤井さんは「みんなに買ってもらえてうれしい。自立に向けて頑張りたい」と話した。
同ホテルは利益の一部を積み立て、障害者の自立支援のために使うという。
アートギャラリーの開館時間は午前8時~午後9時。問い合わせはホテル白菊(0977-21-2111)。