【大分県高校総体】記者日記 勝者の陰にも多くのドラマ

バレーボール女子3位決定戦を制し、仲間と喜び合う臼杵の江口葉月主将(左)=2日午後、サイクルショップコダマ大洲アリーナ

 勝負の世界に「絶対」はない―。高校スポーツの現場で、たびたび実感することだ。ただ、勝つために越えなければならない壁があまりに高い競技もある。県内でその筆頭格が、女子バレーボールの東九州龍谷だろう。
 少なくとも私が見てきたこの10年間、牙城は揺るぎない。今回の県総体も強かった。そんな中、26大会前を最後に優勝から遠ざかる古豪・臼杵のひたむきな姿が、強く印象に残った。
 臼杵は準決勝で「東龍」と対戦。力の差は明確だった。ただ弱気になることなく、勝利を信じ、懸命に高い壁に立ち向かっていた。その姿に熱い気持ちがこみ上げた。
 臼杵は過去17回の優勝を誇るが、近年は県内3、4番手が定位置。「東龍」には大きく水をあけられている。
 県総体は多くの3年生にとって「負ければ引退」。ただバレーボールは10月末にも県予選が始まる「春高」が集大成となる上位校が多く、臼杵も5人中4人が残る。
 3位決定戦でライバル国東を下した後、江口葉月主将(3年)に力の源泉を聞いた。「東龍撃破は確かに目標だが、それ以上に、人間としての成長を自分たちに課している。どこが相手でも、練習で培ったものをぶつけることに重きを置いている」。頭が下がった。
 勝者の陰にも多くのドラマがある。全てにスポットライトは当てられないが、少しでも記事でくみ取りたい。改めてそう思った。

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