【日田】地域のIT化を後押ししようと、日田市の元地域おこし協力隊員、宮崎友彰さん(27)=市内三本松=が「まちの放送部 SENOBI(せのび)」を立ち上げた。管理人を務めるJR日田駅前の交流施設・にこにこ交流館1階を拠点に、市民が配信サイトなどで情報発信をする手助けや、高齢者らがスマホにより親しめる環境づくりを進める。
同市出身の宮崎さんは日本大卒業前後の2年間、バーチャルユーチューバーをプロデュースする東京の企業で働いた。「自分の技術を生かして日田を良くしたい」と23歳の時、同協力隊に着任。昨年6月まで、大鶴地区の住民が足しげく通う農産物直売所のホームページ作成や、住民向けバーの開設などに取り組んだ。
同交流館では現在、セルフ写真館を開館。カメラと照明を置いて記念日の撮影などに利用されている。
SENOBIではスマホ1台で収録が可能なラジオスペースを開設する。「日田ぼんちラジオ」(仮)と銘打ち、イベント企画などを手がけるTatara(たたら)の矢羽田健太代表取締役(31)=同市高瀬=がMCを担当。地元の名物おじさん、おばさんらが出演して日田の今を発信する。
同ラジオスペース発の番組を数多く作って動画投稿サイトなどに上げ、市民の中からインフルエンサーを生み出すのが目標という。
放送部の名前は「子どもの頃、化粧したりブラックコーヒーに挑戦したり、ちょっとした背伸びをしたことがあったはず。大人になっても背伸びし続ける人を応援したい」との思いから付けた。
宮崎さんは「地域の広報部として、市民の情報発信拠点にしたい。流行などもどんどん取り入れ、若者が希望を持てる日田にしていきたい」と意気込んでいる。