【大分県高校総体】記者日記 時間をかけて築かれた馬との信頼関係

愛馬に笑顔で語りかける村島=恵藤建設馬術場

 「最初は何度もかみつかれました。蹴飛ばされたこともあります」。三重総合馬術部の村島悠雅(3年)が愛馬の手入れをしながら苦笑いした。
 運動部に配属と同時に馬術の担当になって3年目。選手は馬とどうやって信頼関係を築いているのか知りたいと考え、県総体を前に恵藤建設馬術場(豊後大野市)を訪れた。そして、冒頭の何げない一言を聞いた。
 当初は、馬に乗れば乗るほど上達するのだろうと考えていた。だが実際は馬体への負担を考慮し、騎乗できるのは1日30分ほど。ほとんどの時間を餌の準備や掃除、馬のケアなどに割く。
 村島は「日々、馬と接する中で、小さな変化に気付くことが大切。少しずつ心を開いてくれるのがうれしい」と続けた。
 私は最近、休日に「犬カフェ」に通う。初めは見向きもしてくれなかった犬が懐いてくれるとうれしい。動物は異なるが、村島の言葉に共感できた。
 「表情の変化を感じ取り、かける言葉も変えています」とは野仲美樹コーチ。数頭の馬の顔をさまざまな角度から見てみたが、正直、違いが分からない。普段から愛情を込めて世話をしているからこそ、馬の気持ちが分かるのだろう。継続した関係性の構築が大切なのは、人間関係と同じかもしれない。
 競技以外の話を聞き、馬術の奥深さにより魅了された。帰る前に、もう一度馬の顔を見てみる。自信はないが、「お前は誰だ」と言われた気がした。

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