「ガール・ウィズ・ニードル」慈しみの欠如から起こる事件

「ガール・ウィズ・ニードル」の一場面(© NORDISK FILM PRODUCTION / LAVA FILMS / NORDISK FILMPRODUCTION SVERIGE 2024)

 第1次世界大戦後の1920年ごろにデンマークで起こった連続殺人事件をモチーフにしたドラマ。
 戦地に行った夫が行方不明となり、貧しい生活を送っていた女性カロリーネが主人公。不遇の日々が続く中、勤務先である縫製工場社長ヤアアンと引かれ合うようになり、新しい命を身に宿す。彼女は再婚を期待するが、ヤアアンの母親が猛反対。会社からも解雇されてしまう。
 絶望に打ちひしがれたカロリーネは堕胎をしようと試みる。もぐりの養子縁組あっせん所を営む女性ダウマに引き留められ、その後出産する。かつて自分を救ってくれたダウマの元を訪れ、わが子を裕福な家庭に養子に出してもらうよう託すのだが…。
 作中強く感じるのは、立場の弱い者へと向けられる暴力的な視点だ。戦争で身体を欠損した人は富裕層から好奇の目で見られる。婚外子を産んだ女性は冷たい視線を向けられ、子どもを手放す選択を余儀なくされる。慈しみが欠如しているからこそ起こる「事件」で悪いのは犯人だけなのかと問いかけてくる。
 モノクロの映像が印象的。登場人物が抱える心の闇を的確に映し出している。

 シネマ5で31日(土)~6月6日(金)の午後1時、同5時40分。(この日程以外も上映あり)

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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