別府市は28日、大型連休中の訪日観光客の移動需要に合わせ、タクシー型ライドシェアの実証運行を始めた。登録ドライバーは市職員を含む65人で、今後増える見込み。初日は外国人客が乗車したほか、大分空港まで利用した例もあった。市によると、自治体による24時間サービスは全国でも珍しい試みという。
別府公園で出発式があり、国土交通省、全国自治体ライドシェア連絡協議会(東京都、全自連)などの関係者が出席。長野恭紘(やすひろ)市長は「コロナ禍で離れたタクシー、バスのドライバーが戻っていない。運輸事業者の協力もあり、運行を迎えられた」とあいさつした。用意した車両の運転席に乗り込み、客を送迎するパフォーマンスも披露した。
サービス名は「湯けむりライドシェア・グローバル」。アプリで呼ぶ仕組みで、世界で使われる「Uber(ウーバー)」と国内で普及する「GO(ゴー)」の2種を採用した。ウーバージャパン(東京都)によると、県内でウーバーの配車サービスを利用できるのは初めてという。
出発、到着のどちらかが別府市内であれば好きな場所を移動できる。料金はタクシーより千円高くなる設定。運行は市が出資する「ビービズリンク」に委託し、全自連と「エスプールグローカル」(東京都)に再委託している。
出発式に参加した国交省の池光崇・公共交通政策審議官は「今までの公共ライドシェアの概念を広げる新しい形だ」と説明した。
実証は来年3月末まで。市は利用状況などを踏まえて継続するかを判断する。
ビービズリンクによると、この日は乗客を市中心部から鉄輪、鉄輪から大分空港などに送った。外国人だけでなく日本人の利用もあった。