大分県立美術館が24日に開館10周年 500万人以上来館、多彩な企画展開へ

開館10周年を迎えた大分県立美術館(OPAM)。ロゴのモニュメントは撮影スポットとして人気を集める=大分市寿町

 大分県立美術館(大分市寿町)が24日、開館10周年を迎える。県民待望の芸術文化拠点として誕生。「五感、出会いのミュージアム」というコンセプトの下、これまで500万人以上が来館した。本年度は26、27の両日に開くイベントや、記念展「LINKS―大分と、世界と。」(大分合同新聞社共催)を皮切りに多彩な企画を用意し、節目の1年を盛り上げる。
 同館ができる以前は県立芸術会館(同市牧緑町、現県立埋蔵文化財センター)が、その役割を担っていた。ただ、展示スペースに限りがあったため、県美術協会を中心とした関係団体が単独の美術館新設を長年要望していた。
 県立美術館は2011年に建設が決まり、15年4月24日にオープンした。当時、多くの美術関係者が喜びの声を上げ、同協会の書道部会長などを務めた戸口勝山さん(84)は「他県に負けない素晴らしいものができ、大歓迎だった」と振り返った。
 開館以来、西洋と日本の美術、現代アート、サブカルチャーなど、さまざまな層に向けた展覧会を企画。17年の「ジブリの大博覧会~ナウシカからマーニーまで」の入場者数は歴代最多の19万4564人を記録した。
 年間来館者数は50万人を目標としてきた。16年度は熊本・大分地震、20年度は新型コロナウイルス禍の影響で下回ったものの、年平均では目標ペースを維持している。
 21年に就任した田沢裕賀(ひろよし)館長(65)は「本年度は大分と世界のつながりをたどる『LINKS』に始まり、『没入型』のチームラボ、県民の見たいというニーズの高いジブリ展などがラインナップされている。『五感で楽しむ』というコンセプトを念頭に、今後も企画を展開していきたい」と話した。

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