韓国観光公社が主催した報道向けツアー。慶州を満喫した後、向かったのは釜山。人口300万人を超える韓国第2の都市で、最大の港町として知られる。歴史と文化に触れた慶州とは異なり、若者に人気のSNS映えするスポットがたくさんある。
美しい海と海産物を求めて、慶州からバスに揺られること1時間。途中、蔚山に立ち寄った。「福順都家醸造所」は昔ながらのつぼでマッコリを造っている。こうじ由来の天然炭酸が入っており「シャンパンマッコリ」とも言われる。
われわれもマッコリ造りを体験した。お盆に用意されたのは米、水、こうじ。講師の指示に従い三つを混ぜ合わせる。根気よく回し続けると、水がだんだん濁り始めた。楽しくなってきたところで時間がきて終了。このまま寝かして発酵させると出来上がるらしい。数種類を試飲させてもらい、午前中からほろ酔い気分になった。
いよいよ釜山に到着。のどかな景色が広がっていた慶州とは違い、ビルが立ち並ぶ。真っ先に訪ねたのはフグ料理が味わえる店「クムスポックク」。メインのフグスープだけでなく、サラダや揚げ物、炒め物まで全てにフグが入っている。ボリュームも満点。大満足のランチを堪能した。
満腹のまま、全身でアートを体験できる「アルテミュージアム」へ。没入型のメディアアート施設で米国や中国、香港などに次いで、2024年にオープンした。釜山のミュージアムは世界最大の規模を誇るという。
一歩足を踏み入れると異空間が広がる。左右、上下の感覚がなくなり、360度どこを見渡してもアート作品に囲まれる。視覚だけではなく、香りや音、水と五感を刺激する仕掛けがちりばめられている。
写真映えスポットもたくさん。館内にはフォトゾーンが用意されており、お薦めのポーズや角度を案内してくれる。コンセプトの違う空間がたくさんあり、2時間の滞在では足りないほどだった。
アートに触れた後は、併設するカフェ「P.ARK(ピーアーク)」でひと息。コーヒーのおいしさはもちろんのことながら、パンやスイーツの種類の多さに感動した。おしゃれな店内は若者でにぎわっており、席を探すのに苦労した。
あっという間に夕食の時間となり、釜山を代表する観光地・海雲台にある「ケミチプ」にやってきた。目玉は海の幸を使った「ナッコプセ」。料理名は韓国語の手長ダコ、ホルモン、エビの頭文字を取っている。海鮮を野菜と一緒に炒めて煮込んだ鍋で、うまみと辛さが絶妙なバランスで混ざり合う。しめの麺も格別だった。
ケミチプから歩いて行ける場所に「海雲台市場」がある。小さな店舗がずらりと並び、魚介や肉のほか、日用品や雑貨もそろっている。屋台料理を食べている人も多く、通りを歩くだけでも楽しめた。
旅のラストを飾ったのは、海を周遊するヨットクルーズとドローンショー。釜山の美しい夜景を見ながらヨットで1時間。ロマンチックな時間を過ごした。
ツアーを通じて、釜山の魅力を体感できた。このほかにも見どころはいっぱい。日本から気軽に行ける海外・韓国。また訪れたい。