【豊後大野】豊後大野市が進めていたJR三重町駅周辺の再開発が完了し、3月末に全面的に利用を始めた。2018年度から7年かけて市の玄関口を一新。駅全体を「観光交流センター」と名付け、観光情報の発信や誘客に力を入れるとともに市のにぎわいづくりにつなげる。
今回は駅舎を改修し、駅東側のロータリー、バス、タクシー乗り場、送迎用駐車場を造った。23年度に供用を開始した駅西側の芝生広場や3人制バスケットボールのコート、有料駐車場などと合わせ、約7500平方メートルを全面的にリニューアルした。
駅舎(235平方メートル)はJR九州から譲渡を受け、内部を一新した。市観光協会が入り、案内所を併設。待合室は市民と観光客が憩える「まちなかハブ」に生まれ変わり、市のPR映像を流したり、チラシを置いたりして情報発信を強化した。
駅前には色付きのブロックを敷き詰め、イベント開催も可能に。駅からロータリーに向かう動線には屋根を設け、雨の日でも快適に使うことができるようにした。
市によると、17年に市民参加型会議「ぶんごおおの未来カフェ」が提出した三重町駅周辺まちづくり基本計画を参考に事業を進めてきた。民間の土地買収なども合わせ、総事業費は約8億7千万円。
事業完了に合わせ、市とJR九州は3月29日、包括連携協定を結んだ。観光交流センターで調印式があり、川野文敏市長と久野和代JR九州大分支社長(55)がサイン。▽駅周辺のまちづくり▽観光資源の発掘や魅力発信▽鉄道利用促進―などを協力して進める。
久野支社長は「これまで以上に連携を深め、まちの魅力向上につなげたい」と話した。