【豊後大野】観光客らがゆっくりと滞在し、地域をより知ってもらえる拠点をつくろうと、豊後大野市緒方町小原のカボス農園「カボスカンパニー」(深田祐二社長)は築70年以上の民家を改装したゲストハウス「緒方の荘(そう)」(町内下自在)を開く。オープンは18日。
木造2階(延べ約130平方メートル)で、洋室のツインルーム2部屋(約6畳、各定員2人)と8畳の和室(定員6人)がある。共用のリビングやキッチンもあり、料金は素泊まりで1人8250円。全館貸し切りは5万5千円。1人1合の地元産米付きで、朝食用に自炊できる。
同社によると、町内には県内を代表する名瀑(めいばく)「原尻の滝」があるものの民泊施設は2カ所だけで宿泊する人は少ない。農村生活を紹介する動画の配信事業もしている同社にとって、全国から訪ねてくれるファンが泊まれる場所がないのが悩みだった。
「せっかく来てもらったのだからもっとゆっくり緒方を味わってもらいたい」とクラウドファンディング「サンドイッチ」で資金を調達。空き家になっていた民家を買い取り、建物の一部解体や庭の手入れを視聴者らに手伝ってもらい、リフォームした。
同町中心部は平安時代に宇佐神宮の荘園で緒方荘と呼ばれていたことからゲストハウスの名前に付けた。
女将(おかみ)の渡部順子さん(60)は「原尻の滝の朝もやや、田植え前の水田などの幻想的な風景は滞在しないと見られない。ぜひ味わってもらいたい」とPR。電動アシスト付きレンタサイクルを用意し、訪日客や都会からの帰省客の宿泊にも期待する。
問い合わせは緒方の荘(0974-27-5354)。