法相、危険運転の要件見直しは「喫緊の課題」 法制審に「早期の答申を期待」

閣議後会見で取材に応じる鈴木馨祐法相=1日、衆議院

 法制審議会刑事法部会で検討が始まった危険運転致死傷罪の適用要件見直しについて、鈴木馨祐法相は1日の閣議後会見で「喫緊の課題。できる限り早期の答申を期待している」と述べた。
 法制審部会は刑法学者や法曹関係者、交通事故遺族ら13人が委員となり、3月31日に第1回会議を開いた。一定の速度超過や体内アルコール濃度があった場合に一律に同罪を適用する「数値基準」の可否について意見を交わした。慎重論もあり、議論は少なくとも数カ月続くとみられる。
 鈴木法相は「危険で悪質な運転による死傷事故への対応は喫緊の課題。充実した議論をしてほしい」と求めた。
 法改正の議論は、大分市の時速194キロ死亡事故などで適用要件の曖昧さが浮き彫りになったことがきっかけで広がった。同事故の遺族が共同代表を務める「高速暴走・危険運転被害者の会」は同月28日、現行規定を維持した上で数値基準を盛り込むように求める要望書を法相宛てに出した。
 会見で鈴木法相は「貴重な意見。真摯(しんし)に受け止める」と答えた。

<メモ>
 現行の危険運転致死傷罪は▽進行を制御することが困難な高速度▽アルコールの影響で正常な運転が困難―などと規定。具体的な数値は定めていない。裁判所や検察で判断が割れて、各地の遺族が「分かりにくい」「納得できない」などと批判している。

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