関あじ、関さば漁の〝迷惑もの〟使った「シャークフライ」 県漁協佐賀関支店などが開発中

給食でカマストガリザメを使った「シャークフライ」を食べる園児=大分市のじょうとうこども園

 【大分】大分市の県漁協佐賀関支店と県、同市は、関あじ、関さばの一本釣り漁の妨げになる「カマストガリザメ」を使った「シャークフライ」の開発に取り組んでいる。鶏肉のような食感で「おいしい」と評判も上々。関係者は「迷惑ものが名物になれば」と期待している。
 カマストガリザメはメジロザメの仲間で世界各地に生息し、九州沿岸を北限とする海域にもいる。大きい個体では体長2・5メートル、体重100キロを超えるという。人を襲うことはないとされる。
 同支店によると、佐賀関地域でも昔から生息しており、釣り上げた関あじや関さばに食いついてくるため、漁師から嫌われてきた。近年、夏だけだった被害報告が秋に広がっており、漁具の損害も増えているため、官民で対策を練る中で、フライ加工を手がける同支店のノウハウを生かすことにした。
 昨年8~10月、漁師に委託して50頭を捕獲し、手のひらサイズのフライに加工。各種イベントで試食してもらったところ、9割が「おいしい」と答えた。県学校給食会の協力を得て、給食の食材としての活用も各校に呼びかけている。
 2月中旬、大分市萩原のじょうとうこども園で開いた「サメ教室」では、県、市の職員がカマストガリザメの顎の骨や実物大サイズのパネルを示すと、園児らは興味津々。その後の給食でシャークフライが提供され、パンに挟んだりしながらかぶりついていた。
 大学でサメを研究した県中部振興局農山漁村振興部水産班の古川あさひ主任(32)は「高タンパク、低脂質。いろんな料理に使えるのでは」、県漁協佐賀関支店総務課の高瀬大輔係長(38)は「今まで食べたことがなかったが漁師もおいしさに驚いていた。筋トレ愛好者に鶏ささみの代わりに食べてもらっているが好評」と新たな需要にも期待を寄せている。

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