仮想空間メタバースに府内城を再現 大分市の会社、ゲーム「フォートナイト」で公開へ

人気ゲーム「フォートナイト」のステージとして再現された府内城=おおいた未来まちづくり提供

 【大分】大分市の「おおいた未来まちづくり」(渡辺翔太代表)は、府内城をインターネット上の仮想空間「メタバース」で再現し、3月1日から世界で人気のオンラインゲーム「フォートナイト」で公開する。同城の天守閣は1743年の大火で焼失し、県指定史跡「府内城跡」は県都のランドマーク的存在。同社は「若い世代や海外のユーザーが大分を知るきっかけになれば」と話している。
 同社は昨年9月、事業の収益を街づくりに投資しようと同市の府内五番街商店街振興組合青年部に所属する渡辺さん(37)、藤井俊之さん(45)、国宗宏敬さん(36)が設立した。
 府内城は1597年に石田三成の妹婿、福原直高が築城に着手。1602年に4代藩主の竹中重利が天守閣を完成させ、1743年の大火で焼失した。4層の本丸がそびえる美しい城とされるが、絵図や文書などの史料は少ない。
 再現にあたっては同市の「府内城を復元する会」が作成した模型や出版した冊子「豊後府内城」を参考に、東京都の「モンドリアン」(角田拓志代表=日出町出身)に依頼、昨年8月から制作を進めてきた。
 フォートナイトは世界の5億人を超えるユーザーが登録するメタバースのプラットフォーム。国内では「岐阜城」「軍艦島」などをモチーフに地方自治体や観光団体が活用している。
 府内城を散策し、天守からは城内や南蛮船を眺めることができ、複数人で陣取りゲームも楽しめる。
 渡辺さんは「先人が培った知識や情報、郷土愛を子どもたちにつなぎ、世代を超えた地域コンテンツとして世界に発信したい。教育や観光、eスポーツの大会などにも活用できるのでは」と話している。

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