県が公表した人口推計によると、昨年10月1日時点の県人口は108万5198人で、前年より1万1037人減り、戦後最少を更新した。死亡者数が出生数を上回る「自然減」は2年連続1万人を超えた。3年ぶりに転入者より転出者が多い「社会減」となった。減少傾向が強まる中、県は昨年定めた目標「2035年まで人口100万人台の維持」に向け、さまざまな対策に力を注ぐ。
23年10月1日から24年9月30日までの出生、死亡、転入、転出をまとめた。
人口は18市町村全てで減少。男女の内訳は男性が51万7032人(前年比4828人減)、女性が56万8166人(同6209人減)だった。
出生と死亡の差を表す「自然動態」は、出生児6111人(同355人減)に対し、死亡者1万6906人(同8人増)で、1万795人のマイナスだった。現行の統計になった1981年以降で初めて自然減が1万人を超えた前年より、減り幅は363人拡大。2年連続で全市町村が自然減となり、少子高齢化の進行がうかがえる。
転入と転出の差を示す「社会動態」は、転出者(3万9917人)が転入者を242人上回った。前年まで留学生や技能実習生ら外国人の増加に伴い2年連続の社会増だったが、減少に転じた。4市1町は増加し、内訳は▽別府 494人▽大分 472人▽由布 304人▽豊後高田 46人▽日出 44人―。
県人口は55年の127万7199人をピークに減少期に入った。71年から再び増加した後、85年(125万214人)以降はほぼ一貫して減り続け、減り幅は拡大傾向にある。自然動態は99年からマイナスになった。
県は策定中の「第3期まち・ひと・しごと創生県総合戦略」(2025~29年度)を基に、人口減少の抑止に取り組む。素案では、重点課題として▽若者や女性の呼び込み▽外国人など多様な担い手の確保▽デジタル技術を使った地域の持続的発展―を挙げている。
佐藤樹一郎知事は「自然減、社会減で厳しい状況だ。子ども・子育て支援や高齢者の健康寿命延伸、移住や2拠点生活の推進など、人口100万人を切らないよう、さまざまな取り組みを進める」と話している。