【別府】別府市の社会福祉法人「太陽の家」(山下達夫理事長)にeスポーツの専用エリア「eBARLEY(イーバーリー)」ができた。県内の福祉施設では初めて。障害者の就労機会を増やし、地域住民との交流の場を提供する。
作業棟の1階に専用エリア(25平方メートル)を設置した。1月23日のオープニングセレモニーには関係者約30人が出席。佐藤光博事務局長が「イーバーリーで新しい目標や夢を実現してください」とあいさつした。デモンストレーションがあり、利用者らがゲーミングパソコンで1対1の3D格闘技ゲームで対戦。大型ビジョンにスピード感あふれる映像と音響が流れ、会場を盛り上げた。
コンピューターゲームの腕前を競うeゲーム。基本的に体を動かす必要がなく、障害の有無にかかわらず楽しめるという。太陽の家では2020年に情報通信技術(ICT)に力を入れるようになり、競技会を開くなど普及に取り組んできた。就労面ではパソコンのスキルを磨くことで、プロゲーマーの育成や、ゲーム実況の動画配信を視野に入れている。
名称のイーバーリーは、エレクトロニック・スポーツの「e」と太陽の家のシンボルマーク、麦(BARLEY)をかけ合わせた。「eスポーツの世界でも利用者が麦のようにぐんぐん伸びてほしい」との願いを込めた。
ゆくゆくは地域住民らにも開放するという。曽川稔エリア長(48)は「日本のパラスポーツ発祥の地である太陽の家が、率先して取り組むことに意義があるのでは。eスポーツは正式に競技として認められており、オリンピックの選手を育てたい」と話している。