【別府】第61回くらしの中の竹工芸展(大分合同新聞社後援)が28日、別府市東荘園の市竹細工伝統産業会館で始まった。「竹の器と暮らす心豊かな生活」をテーマに、76人の計91点を展示している。最高賞のグランプリには、近藤雅代さん(47)=荘園=の作品が選ばれた。展示は2月16日まで。
竹・ルネサンス実行委員会(岩尾一郎会長)の主催。別府竹工芸の振興を目的に毎年、開催している。
グランプリに輝いた近藤さんの作品は「花籃(はなかご) 煌(きら)めく」。六角形の編み目の中に細い竹ひごで模様を作る繊細な技法「差し六つ目編み」を用い、晴れた日に差し込む太陽光の美しさを表現した。「正面から奥をのぞくと、編み目から透けるようにいくつもの光が輝いて見える。自然の癒やしを感じてもらいたい」
近藤さんは栃木県足利市出身。手仕事に興味を引かれ、東京都内で開かれていた「別府竹細工教室」に参加した。本格的に学びたいと、2013年に県立竹工芸訓練センター(別府市東荘園)に入校した。修了後は市内の自宅兼工房で制作に励んでいる。20年には重要無形文化財「竹工芸」の保持者(人間国宝)の岐部笙芳(せいほう)さん(73)=大分合同新聞文化賞受賞者=に弟子入り。憧れの師の下で技術を磨く。
近藤さんは「これまでの努力が報われたようでうれしい。今後の活動の励みにしたい」と喜んだ。
観覧料は高校生以上390円、小中学生130円。開館は午前8時半から午後5時(最終日は同4時)まで。月曜休館。
その他の受賞者は次の通り。
▽県知事賞 宇野冴月▽市長賞 今冨訓孟▽別府竹製品協同組合理事長賞 井上湧▽別府竹製品卸商業組合理事長賞 吉田草史▽重要無形文化財保持者賞 一木律子▽大分みらい信用金庫理事長賞 小林由紀恵▽市議会議長賞 小屋了子▽別府商工会議所会頭賞 荒井直子▽市観光協会長賞 新田耕実▽大分合同新聞社長賞 池将也▽特別賞 近藤雅代