13日午後9時19分ごろ、宮崎県で震度5弱の地震があった。気象庁によると、震源地は日向灘で、震源の深さは約36キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・6と推定される。昨年8月に続いて2度目となる南海トラフ地震臨時情報を発表、評価検討会を開いて関連について調査した。南海トラフ巨大地震の想定震源域で発生したが、地震の規模は「巨大地震注意」の発表基準に達せず、調査を終了した。気象庁は調査終了を受けた記者会見で「地震はいつ起きてもおかしくない。日頃からの備えを確実に実施しておくようお願いしたい」と呼びかけた。
大分県内は大分、佐伯、臼杵、竹田の各市で震度4を観測した。県によると、佐伯市内で男性が足にけがを負った。
気象庁は高知、宮崎両県に一時、津波注意報を出した。宮崎県の宮崎港と日南市で、最大で約20センチ、高知県の室戸市室戸岬と土佐清水で約10センチの津波を観測した。
フィリピン海プレートと陸側のプレートの境界で発生した逆断層型の地震だった。評価検討会の平田直会長(東京大名誉教授)は「普段とは違う地殻変動も起きていないと確認した」と述べた。
九州電力と四国電力によると鹿児島県の川内原発と愛媛県伊方町の伊方原発に異常は確認されていない。高知県は高知市など県内沿岸部の各自治体を中心に避難指示を出した。宮崎県によると、けが人や被害に関する情報は確認されていない。
気象庁は「揺れの強かった地域では、1週間程度、最大震度5弱程度の地震に注意を」と呼びかけた。政府は首相官邸に情報連絡室を設置した。
南海トラフ地震臨時情報は東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。
日向灘では2024年8月8日にも最大震度6弱、M7・1の地震が起きた。気象庁は南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表。政府は、広範囲で強い揺れの可能性が高まったとして、地震への注意を呼びかけた。
■大分県が災害対策連絡室
南海トラフ地震臨時情報(調査中)が出たことを受け、大分県は13日午後9時55分に災害警戒本部を立ち上げた。登庁した県職員が市町村などと連絡を取り、被害状況の把握を進めた。調査終了に伴い、午後11時45分に災害対策連絡室に移行した。
佐伯市消防本部によると、けがを負った市内の男性は50代で、自宅の階段から転落し右足の指から出血したという。本人から119番があり病院に搬送された。
県内は20センチ未満の海面変動の可能性があるとして沿岸全域に津波予報が出たものの、大分地方気象台などによると、午後11時50分現在で変動は確認されていない。
羽田発大分行きの日航671便は、大分空港で滑走路の安全確認が必要になったため、着陸をやり直し若干の遅れが出た。
JR九州は、宮崎県に向かう日豊線の特急少なくとも2本で遅れが発生した。
この他の大分県内の市町村の震度は次の通り。
▽震度3 別府市、津久見市、杵築市、豊後大野市、由布市、国東市、姫島村、日出町
▽震度2 中津市、日田市、宇佐市、豊後高田市、九重町、玖珠町