県内は季節性インフルエンザの感染が爆発的に増加している。県が25日に発表した直近1週間の感染者数は1医療機関当たり82・64人で、過去最多を更新した。県医師会は同日、大分市内で会見を開き「全国的に流行している。年末年始の期間中に対応できる医療機関を事前に把握しておいてほしい」と呼びかけた。
県の発表によると、県内58の定点医療機関から12月16~22日に報告のあった感染者は4793人。「警報」基準に達した前週の2159人から2・22倍になり、6週連続で増加した。
県が調査を始めた1999年以降、1医療機関当たりの感染者数が80人を上回ったのは2018年1月以来2回目。
県医師会によると、感染は小学校高学年を中心に多く見られる。今後については「年末年始にかけて人の動きが増えることに加え、学校が冬休みに入ったことで家庭内での感染も増えるだろう」との見通しを示した。
井上雅公常任理事(72)は感染拡大について「ここ数年間は新型コロナウイルスのワクチンを接種する人が多く、インフルの接種が減っていた。インフルに対する免疫が低下したのではないか」と説明。年末年始は休みに入る医療機関が多いため、発病に備えて当番医を確認してほしいと述べた。
河野幸治会長(71)は、手洗いやマスク、適度な換気といった基本的な感染対策に加え、ハンカチなどで口元を抑えるせきエチケットも大切と指摘。「体調が良くないときは無理せずに外出を控えるなど、一人一人ができる対策を取ってほしい」と求めた。
厚生労働省のまとめによると、前週(9~15日)の1医療機関当たりの感染者数は大分県が都道府県別で最も多かった。次いで(2)福岡県(3)鹿児島県(4)愛媛県(5)佐賀県―だった。
<メモ>
休日当番医は本紙地域総合面に当日分を掲載している。厚生労働省のインターネットサイト「医療情報ネット(ナビイ)」では地域や日付を選んで検索できる。