「ロボット・ドリームズ」犬とロボットの友情や別離描く

「ロボット・ドリームズ」の一場面(ⓒ2023 Arcadia Motion Pictures S.L., Lokiz Films A.I.E., Noodles Production SARL, Les Films du Worso SARL)

 擬人化された動物たちがすむニューヨークを舞台に、主人公である犬とロボットの友情や別離を描いたアニメーション。
 ドッグは一人でテレビゲームの対戦プレーをし、テレビを見ながら黙々と食事をするなど孤独な日々を送っていた。そんな時、CMで「友達ロボット」の存在を知り、すぐさま取り寄せる。無邪気で人懐こいロボットは、あっという間にドッグと仲良しに。セントラルパークをはじめ、ニューヨークの名所で遊びながら、絆を深めていく。
 だが、別れは突然やって来た。夏の終わりに訪れた海辺で、ロボットがさびて動かなくなってしまったのだ。運んで帰ろうにも、重くて動かせない。一度家に帰り、修理道具を持って海に戻るが、すでにビーチは閉鎖されていた。親友を置き去りにしてしまったドッグは、翌年の海開きの時に助けに行くことを心に誓うが…。
 全編せりふが存在せず、キャラクターの動作や音楽によって物語が進んでいく。言葉による説明がないため、その表情から、会うことのできない切なさが感じ取れ、心を揺さぶる。人生の出会いや別れを体験した大人世代には、ぐっと胸に迫ってくるものがあるのではないだろうか。
 アース・ウインド&ファイアーの名曲「セプテンバー」が、2人が楽しく過ごしている時をはじめ、要所で流れるのもポイント。軽快なナンバーが、場面によっては悲しみをたたえて聞こえてくる。
 
 シネマ5で12月7日(土)~13日(金)の午後2時。7、9日は同8時10分も。(この日程以外に上映あり)

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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